飲食店チェーンが地元地域への社会貢献で運営。介護型と住宅型2タイプのサ高住

大阪市南部の住宅街にある大領の家。大領はこの辺りの地名で、株式会社グルメ創業の地
SUUMO介護編集部
2015年06月08日(月)
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サービス付き高齢者向け住宅「グルメ杵屋社会貢献大領の家」

大阪市住吉区にあるサービス付き高齢者向け住宅「グルメ杵屋社会貢献大領の家」は、全国に多くの飲食店チェーンを展開する株式会社グルメ杵屋が、社会貢献の一環として設立した社会福祉法人ジー・ケー社会貢献会により運営されている。一般的なサ高住と異なるのは、30室ほどの24時間介護付きタイプ(特定施設)と20室ほどの住宅タイプがあり、自立から要介護度5まで幅広く高齢者を受け入れていることだろう。地域への社会貢献を旨としているだけに、手厚いサービスと入居しやすい利用料も大きな特徴だ。

特別養護老人ホームの待機者の声に応えて

「特養を運営してきていますので、ケアがしっかりしている。母体が飲食業ですから食事も充実している。ありふれたデザインではなく徹底的にこだわった和の空間。この総合力の高さが評価いただいたのでしょうか、現在は満室で待機の方が60〜70名様という状況です」と大岩さん

グルメ杵屋がジー・ケー社会貢献会という社会福祉法人を設立し、「グルメ杵屋社会貢献の家」という名の特別養護老人ホームを開設したのは1997年。
「グルメ杵屋が一部上場を果たした記念事業として、地域社会に少しでも恩返しができればと特養を始めたんです。そこから17年間、特養の運営一本に絞って続けてきたんですが、待機の方が常時300人以上もいらっしゃるという状況で、もっと入居しやすいところはないんですかという皆さまの声にお応えしたいと考えました。それに加えて、職員の新たな挑戦とキャリアアップの機会をつくり、目標と誇りを持って働き続けられる職場にしたいという思いから誕生したのがこの『大領の家』なんです」というのは所長の大岩輝之さん。
当初は大阪市の高齢者向け優良賃貸住宅として認可を受けたが、特養を運営してきた経験上ケアはしっかりやっていきたいと、24時間介護付きの特定施設(特定施設入居者生活介護)の認可を受けるためサ高住へと登録変更した。ただし10年間は高優賃の基準を守って運営しなければならないという市の制限があるため、高優賃の看板ははずしてない。

2つの住居タイプで幅広く高齢者の受け入れを

大領の家には2タイプの住居があって、ひとつは特定施設である24時間介護付きの介護型。もうひとつは本来のサ高住の条件である安否確認と生活相談が付いた住宅型だ。
介護型は住戸の面積が約18㎡で、家賃、共益費、毎日3度の食費を含めて月額11万6000円ほど。これに介護保険の1割負担分と光熱費などの費用が上乗せされる。
いっぽう住宅型は25㎡ほどの住戸面積があって、それぞれ食費や光熱費、その他の実費を除いて月額7万5000円〜、7万8500円〜となっている。
RC造5階建ての2・3階が介護型住居のフロアで全30室ほど、4・5階は住宅型のフロアで全20室ほどという構成だ。
「介護型は特定施設ですから、24時間の介護サービスが定額で利用いただけます。特養のケアのノウハウを活かした手厚いサービスに加え、看取りにも対応していますので最期まで安心してお住まいいただけます」と大岩さん。介護型、住宅型どちらも入居時には家賃の3カ月分の敷金が必要となるが、高額な一時金は必要としない。

介護型(特定施設入居者生活介護)の居室。約18㎡でキッチン、浴室はない

2.3階の介護型フロアには介護スタッフが24時間常駐。入浴、排泄、食事などの介護や日常生活のサポートを行っている

4.5階にある住宅型の居室。25〜26㎡でキッチン、浴室のほか洗濯機置き場や広い収納もある

住宅型フロアの共用リビング。キッチンもあり、家族が訪れたときにはここで食事をとる入居者も多いとか

京町家をイメージさせる空間に個性的なデイサービス

1階の共用リビングの外は、飛び石、石灯籠などがしつらえられた日本庭園。春は新緑、秋には紅葉が眺められる

建物の1階エントランスを入ると目を引くのが、大きな開口部の向こうに見える坪庭風の空間だ。
「ご年配の方が落ち着くのはやはり和の空間ではないでしょうか。そこで関西の和といえばやはり京都ですから、京町家を再現しようということで、うちの理事と設計の先生が何度も京都に視察に行ってデザインを決めました」
1階フロアはデイサービスのための空間にもなっているが、このデイサービスがまたユニークだ。手芸教室やクラフト教室、音楽教室、料理教室、陶芸教室、フラワーアレンジメント教室などカルチャースクールでやっているような各種の講座を導入しているのだ。
「カルチャーデイサービスと呼んでいます。昭和生まれの世代には、従来のアクティビティではなかなか受け入れてもらえませんから。住宅型の入居者さんのなかにはこのデイサービスを利用されている方もいらっしゃって、デイサービスに付属の露天風呂付きの大浴場に入るのを楽しみにされています」と大岩さん。

デイサービスの利用者に大好評の露天風呂付きの大浴場。外には打たせ湯もある

母体の強みを活かした食事と整った医療連携

手打ちうどんの杵屋、信州そば処そじ坊などを全国展開する企業が母体だけに、食事にはこまやかな心配りがされ、節句や敬老の日などには特別メニューも用意される。写真は七夕の夕食(普通食)。日常メニューだけでなく、特別メニューも噛む力や飲み込む力が弱い人など、ひとりひとりに合った料理が用意されるとか

母体がグルメ杵屋とあって、毎日の食事にも力を入れている。
「サ高住の基準には栄養士・管理栄養士の配置というのがありませんが、法人本部のある特養が自転車で15分ぐらいの距離にありますので、そこの管理栄養士が立てた献立をここでも出すことができます。厨房にいる調理師もただ調理をするだけでなく、各階の食堂まで運んでいって入居者さんと会話を交わすことで食事に対するご意見をいただくようにしているんです」
医療連携も整っている。提携している医療機関のひとつが在宅診療に非常に力を入れていて、常時7名ほどの医師による往診チームをつくり、定期往診のためにほぼ毎日2〜3名の医師が大領の家を訪れているという。介護型のフロアには看護師が日中常駐しているが、夜間も医師・看護師とはオンコールで連絡がとれるようになっている。
「実際に住宅型で、ガン末期の方の看取りもさせていただいたんですが、そのときも当方のスタッフとこのクリニックさんの在宅診療と訪問看護による連携で、ご希望に沿った対応ができました」と大岩さん。大領の家はオープンしてまだ3年に満たないが、長年の特養運営の実績がさまざまな面で強みとなっているに違いない。

グルメ杵屋社会貢献大領の家DATA

物件名:サービス付き高齢者向け住宅「グルメ杵屋社会貢献大領の家」
運営:社会福祉法人ジー・ケー社会貢献会
所在地:大阪府住吉区

SUUMO介護編集部
2015年06月08日(月)
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