大手住宅メーカーとのコラボレーションで、サービス拡充を目指す

佐久間代表取締役は銀行出身。同社の前経営者からの事業承継により社長に就任した
SUUMO介護編集部
2015年05月19日(火)
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株式会社ヘルシーサービス 代表取締役 佐久間則行さん

千葉県を中心にグループホームや住宅型有料老人ホーム、小規模多機能ステーション、訪問介護、居宅介護支援など、地域に根ざしたさまざまな介護サービスを展開する株式会社ヘルシーサービスの創業は1985年。介護保険制度が施行される15年前、訪問入浴サービスがスタートだった。以後、順調に事業を拡大するなか、MBOファンドの事業承継を経て、2014年12月には積水化学工業・住宅カンパニーグループの一員に。30年の実績と地域密着の強みを活かしつつ、大手住宅メーカーとのコラボレーションにより新たな方向性を探る佐久間則行代表取締役に展望をうかがった。

事業承継によって新たなステップへ

ヘルシーサービスの原点ともいえる訪問入浴サービス。介護保険スタートの15年前の1985年より行っている

──介護保険制度が施行される15年も前から介護事業を手がけているんですね?
佐久間:1962年に家庭奉仕員、今でいうヘルパーさんの派遣事業というのが行政サービスとしてスタートしまして、それが民間へ委託というかたちになったのが1981年。当社がそれを受託をしたのが1985年、当時は2台の訪問入浴車を使っての訪問入浴サービスが主事業でした。そこから介護保険制度の施行までが15年、制度開始からはさらに15年が経過して創業30周年になります。

──介護事業の業界では老舗になりますね?
佐久間:老舗といっても中小企業ですけどね(笑)。ただ介護事業の世界では、7〜8割のお客様を支えているのは私どものような中小企業です。その反面、コンプライアンスの問題や財務体質も含めて足腰の脆弱な中小の事業者が、今後の介護ビジネスを支えていくのはいささか問題があるだろうという意識もありました。MBOファンドによる事業承継によって、6年前に私は創業者オーナーから代表取締役を引き継いだんですが、新たな資本構成によってより強固な信用構築をすることで、事業のステップアップが少なからず図られたと考えています。

──そして昨年の暮れには、積水化学工業・住宅カンパニーグループの一員となります。
佐久間:当社が事業を展開している千葉県には約2万7000棟のセキスイハイムにお住まいの方がいらっしゃいます。全国的に見てもこの数字は特に大きいらしいんですね。いっぽう当社は創業以来、千葉県を中心に地域密着の介護サービスを提供してきました。積水化学工業・住宅カンパニーのハードと当社のソフトがうまくコラボレートしてシナジー効果が発揮できれば、さらなる事業の発展が見込めるのではないでしょうか。

入居者自身の意思を徹底的に尊重

2012年開設の住宅型有料老人ホーム「くらスマイル鎌ヶ谷」。かつては企業の独身寮だった建物を改装し再利用している

──御社の有料老人ホームについてお訪ねします。どういう特徴がありますか?
佐久間:千葉県鎌ヶ谷市に「くらスマイル鎌ヶ谷」、神奈川県平塚市に「くらスマイル平塚」がありますが、どちらも企業の独身寮を改装した建物で、かつては高齢者専用賃貸住宅の範疇でした。旧高専賃を引き継いでいますので、入居時には一時金ではなく敷金のかたちをとっています。中古の建物をリフォームしていますから家賃は安価に抑えられますし、入居時の負担も軽くてすみます。サービスについては、例えば在宅診療の医療法人さんは1カ所だけでなく3〜4カ所に間口を広げていますし、ケアマネジャーさんや訪問介護のヘルパーさんの選択もご本人やご家族の自由です。大体、お医者さんやヘルパーさんはお客様が本当に信頼できる方を選ぶのであって、私どもの都合でそれを指定するというのは筋違いですよね。

──入居者本人の意思を大事にされているということですね。
佐久間:これはグループホームでの話なんですが先日、入居者さんで外食の牛丼を食べたことがないから食べたいという方がいらして、9人お連れして行ってきました。事前にお店の方に事情を話すと、肉は小さく切った方がいいですかと気づかっていただいて、本当によくしていただけたんですよ。こういうことが地域との密着にもつながっているのではないかと思っています。

今後はサ高住の提供も視野に

──今後はどのような事業展開を考えていますか?
佐久間:今後は施設系のサービス数を増やしていかなければならないと考えています。現在、主事業としているグループホームについては、公募なので勝手に建てられないんですね。競合他社さんとの競争があって、そこで選ばれないと実現しないんです。ただ2001年のスタートで、現在15という数のグループホームすべてが公募で選ばれているわけですから、当社の実績がそれなりに評価されているのではないかと自負しております。最終的なプレゼンテーションは必ず大手さんとの競合になっているんですよ。

──サ高住の開設は考えていないんですか?
佐久間:今後はやっていかなければいけないと思っています。サ高住がスタートした当初は、私としては否定的でした。なぜかというと賃料の引き下げ競争に入りましたでしょ。あれは私はナンセンスだと感じていましたので。先に値段ありきになってしまうとサービスは後回しですよね。それでは私どもは競争ができない。セグメント毎に採算がとれなければ介護報酬が改定のたびに下がっていく状況のなかで、オーナーさんへ支払うサブリース料が支払えなくなってしまいますから。ただここに来てマーケットの中身が少しずつ変わってきました。住まいはこういうグレードでサービスはこういうしっかりした事業者でと、お客様のほうから望まれるようになり、またそうでないとお客様から選ばれないような時代になってきているんです。

──そこで積水化学工業・住宅カンパニーとのコラボレーションが生きてくるわけですね?
佐久間:先ほどの話に戻りますが、セキスイハイムのハードと当社のソフト、それが両輪のようにというと格好よすぎますが、支え合ってビジネスとして展開していくことが当社の目指すべき方向だと考えています。と同時に、千葉県という地域のなかでの当社ならではの強みもありますから、それをできる限り活かす展開も考えたいと思っております。

Profile

株式会社ヘルシーサービス 代表取締役
山形県出身。山形県立米沢興譲館高校卒業。福島大学経済学部卒業。1983年に株式会社山形銀行入行。2002年セントケア株式会社(現セントケア・ホールディング株式会社)入社。2006年社団法人シルバーサービス振興会入社。2009年12月株式会社ヘルシーサービス代表取締役社長に就任

SUUMO介護編集部
2015年05月19日(火)
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