シニア世代が受けるべき検査は? 人間ドックの活用法

SUUMO介護編集部
2015年04月14日(火)
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「健康寿命を延ばしたい」という意識の高まりにつれ、人間ドックもすっかり一般的になりました。日本人間ドック学会の調査「人間ドックの現況」(2013年)によると、人間ドック受診者は2009年以降300万人前後。30代以下、40代、50代の受診者数は微減するなか、60歳以上は唯一右肩上がり。2013年には約73万人が受診しています。

免疫力が低下し、体のあちこちに変調を起こしやすく、がん発症リスクも高まるのがシニア世代。人間ドックに駆け込む人が増えるのは当然のことといえそうです。

そこで気になるのが、検査の内容です。一般に、人間ドックの検査は10項目前後。いろいろな疾病リスクを検査したいのはやまやまですが、検査項目をいたずらに増やすのは身体面、金銭面を考えても得策ではありません。シニア世代はどのような項目を受けるべきなのでしょう? 医師、評論家で日本老年学会評議員の米山公啓先生に聞きました。

「人間ドックを『がんの早期発見のため』と考えますと、大腸がんに備えるための便の潜血検査および大腸ファイバー(内視鏡)による大腸検査、そしてバリウムによる胃がん検査、子宮頸がんの検査です。バリウム検査は被ばく線量の問題が指摘されていますが、胃がん死亡率の減少が認められています」(米山先生 以下同)

医療機関によっては、「60歳以上の定年退職者」に向けたリーズナブルな人間ドック、あるいは75歳以上に向けた「負担の少ない半日ドック」といった、いわゆる「シルバードック」をメニューにしているところもあります。死亡率が高いがんを標的として、上記で推奨された項目が入っているドックを選びましょう。

ただ、人間ドックによってがんなどの疾病が予防できると考えるのは早計です。米山先生からは「私の持論ですが、人間ドックは予防という観点ではほとんど意味がないと思っています」という衝撃的な発言が!

「たとえば、脳ドックで脳梗塞が見つかったらどうでしょうか。すでにある疾患に対して予防の手立てはあるかというと、これがありません。予防を考えるのであれば、脳梗塞のリスクを減らすこと、イコール生活習慣の改善が重要になるのです。人間ドックを受けて生活習慣の改善が見られれば結構ですが、そうでなければ意味はありません」

疾病の早期発見は大きな関心事ですが、人間ドックの目的をそれだけにしてはいけません。健康や生活習慣を考えるための格好の機会として、人間ドックを活用してみてはいかがでしょうか。

取材協力

米山公啓
1952年山梨県生まれ。作家、神経内科医。東京都あきる野市の米山医院などで医師として診療を続けつつ、精力的に執筆。現在まで280冊以上を上梓している。

SUUMO介護編集部
2015年04月14日(火)
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