洗浄時は必ず外すのが◎ 入れ歯の正しい手入れ法

SUUMO介護編集部
2015年02月13日(金)
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入れ歯は自分の歯ではないため、歯石がついても大きなトラブルにならないと思ったりしていませんか?

「入れ歯についた歯石が、歯の病気を誘発する可能性は十分ありますよ」

こう教えてくれたのは、洋(よう)歯科クリニックの副院長で、訪問歯科診療で多くの入れ歯利用者を診察してきた土持賢一先生。

「歯石は、歯ブラシや洗浄剤で取れないクリーム色のものです。歯石は軽石のように小さい穴がいくつもあり、そこに細菌が入り込みやすい構造となっています。細菌のせいで歯茎が炎症を起こしたり、その汚れを飲み込んだりすることで誤嚥性(ごえんせい)肺炎になるリスクが高まります。部分入れ歯の方は、入れ歯に付着した細菌が自分の歯につくことで、虫歯になる場合もあるんですよ」(土持先生 以下同)

歯石や細菌の付着を最小限に抑えるには正しいお手入れが欠かせません。その際、入れ歯を口から外して磨くのがポイントです。

「入れ歯で汚れやすいのは、歯茎や上あごと接する義歯床と呼ばれる部分。つまり、内側です。そのため、入れ歯をつけたままでは歯や歯茎と接している部分の食べかすや細菌を取ることができません。磨く際は入れ歯を外し、水をはった洗面器などの上で行いましょう。そうすれば、落として入れ歯を割ってしまう心配がありませんから」

お手入れ時は、専用のケア用品を使用することも大切です。不適切な方法によって、弊害が起こることもあるのだとか。

「一般的な歯磨き粉は研磨剤入りが多く、それが入れ歯を傷つけてしまい、そこから細菌が入り込みやすくなります。そのため、必ず入れ歯専用の歯磨き粉を使いましょう。加えて、入れ歯の洗浄剤も毎日使うことで効果が増します。ただ、洗浄剤のなかには、金属を変色させる次亜塩素酸系のものがあります。特に部分入れ歯や金属部分の多い入れ歯をお使いの場合は、購入前に商品のパッケージなどに書かれている注意書きをよく読んでください」

また、「食事中や笑ったときに入れ歯が外れてしまうのは、入れ歯がフィットしていない証拠」だそうです。入れ歯に“がたつき”があるのは、歯茎や歯との間に隙間ができているため。結果、汚れがたまりやすくなったり、口内炎ができやすくなったりします。その場合は、放っておかずに歯科医に相談しましょう。

入れ歯はいわば体の一部。適切なケアで清潔に保つことが、要介護者の健康をきちんと守ることにつながります。

Profile

土持賢一先生
洋歯科クリニック副院長。日本訪問歯科協会会員。日本摂食・嚥下リハビリテーション学会会員。ドライマウス研究会認定医。医院での診察に加え、訪問診療も精力的に行う。
洋歯科クリニック

取材協力

日本訪問歯科協会
訪問歯科診療の発展を目的に、2000年に設立。訪問診療だけでなく、診療内容の向上に関する研修会や、介護・福祉関係者との協調による訪問歯科サービスの普及活動、海外研修視察、訪問歯科に関するセミナーなども行う。口腔ケアに関する書籍も複数出版。
日本訪問歯科協会

SUUMO介護編集部
2015年02月13日(金)
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